東京猫医療センター

東京江東区の猫専門病院

猫の病気

乳腺腫瘍

腫瘍疾患の中でリンパ腫に次いで多い病気です。
猫のお腹には、通常、左右に4個ずつ計8個のおっぱいがあります。そのおっぱいの所には乳腺という組織があり、そこに出来るしこり(腫瘍)です。
腫瘍には良性と悪性があるのですが、残念な事に、猫に出来る乳腺腫瘍のほとんど(85%以上)が悪性腫瘍です。
はじめは、小さい豆粒くらいのものが、徐々に大きくなったり、いくつも出来たりします。そのため、早期に発見・治療が大切ですが、場合によっては、急速にリンパ節や、肺などに転移していることもあります。
当院では、触診や聴診などの一般検査はもちろんのこと、レントゲンや血液検査で健康状態を把握した上で外科的切除や、補助的に化学療法を用いることをご提案しております。また、温熱療法であるインドシアニングリーンを用いたレーザー照射もご検討いただけます。
また、腫瘍科も設けており、腫瘍認定医である原寛獣医師の診察も予約制ではございますが、いつでも承けたまっておりますので、お気軽にお問い合わせください。

リンパ腫

腫瘍疾患の中で最も多い病気です。
リンパ腫とは、リンパ節、消化管、肝臓、脾臓、皮膚など、様々なところでリンパ系細胞が増殖する悪性腫瘍です。イヌやヒトと比べて、猫での発生率は非常に高いと考えられています。発生する場所により分類される事が多く、それにより特徴や予後(生存期間)が異なります。
当院でも、慢性鼻汁や下痢、食欲低下などのご相談により、診断する事が多い病気の一つです。血液検査や、レントゲン検査、エコー検査、CT/MRIなどを実施し、細胞・組織検査することによって診断しております。
リンパ腫の種類に応じて、化学療法をすすめており、場合によっては放射線療法もご提案しております。
また、腫瘍科も設けており、腫瘍認定医である原寛獣医師の診察も予約制ではございますが、いつでも承けたまっておりますので、お気軽にお問い合わせください。

肥大型心筋症

左心室の筋肉が厚くなり、左心室内が狭くなる病気です。このため、血液が十分に入り込めず、全身に血液を送る量が少なくなったり、血液の流れが滞ったりします。その結果、肺水腫や、胸水、腹水などが溜まり、呼吸が苦しくなります。また動脈血栓を作りやすく、突然、後ろ足が麻痺してしまう事もあります。

当院では、聴診、レントゲン、心電図、血圧測定、超音波、血液検査などを用いて病体の把握し、その状態に応じて治療・投薬をご提案しております。
また、肥大型心筋症を引き起こすことがある甲状腺機能亢進症もあわせて、検査し、治療をすすめています。
希望がある場合は、遺伝子検査(メインクーンとラグドール限定)などの検査も組み合わせることが可能です。

また、突然の後肢不全の緊急時に備えて、血栓溶解用の製剤(t—PA製剤)も常備しております。後肢不全になったときは、機能回復のために出来るだけ早い投与が望まれるからです。

アレルギー性皮膚炎(アトピー性皮膚炎)

猫に痒みがあるとき、原因は、大きく分けて3つに分かれます。
アレルギー性皮膚炎:ノミアレルギー、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎
寄生虫:疥癬、毛包虫
感染:細菌(膿皮症)、真菌(皮膚糸状菌症)
このうち、2と3は猫では非常にわずかで、ほとんどはアレギーと考えられています。
診断として、上記のことのほかに皮膚腫瘍、膀胱炎や便秘などの違和感や精神的要因も視野に入れながら痒みの原因を探っていきます。2や3が否定され、なおかつ他の要因がない場合、アレルギー性皮膚炎と考えられます。

アレルギー性皮膚炎と診断した場合、さらに、食事性アレルギーやノミアレルギーを除いたものをアトピー性皮膚炎と呼びます。
このため、必要に応じてアレルギー源をのぞいた食事を試したり、血清中抗原特異的IgE検査(何に対してアレルギーを持っているか調べる血液検査)を実施します。

肥満細胞腫

悪性腫瘍で、皮膚に発生するものと、内臓に発生するものとがありす。一般的に、皮膚型では、頭や首に出来る事が多く、内臓型は脾臓と腸管(特に小腸)に発生する事が多いです。この腫瘍は適切な治療後、経過が良い事がほとんどですが、肥満細胞の発生形態の分類(肥満細胞型の分化型もしくは未分化型/組織球型)によっては、予後不良のこともあるので注意が必要です。
皮膚型における症状は、脱毛を伴う固いしこりが出来、徐々に大きくなってきます。一つだけの事もあれば、複数できる事もあります。内臓型では、食欲不振、嘔吐、下痢などが症状としてでてきます。
診断は、FNA(しこりに針を刺して、針にとれた細胞を顕微鏡で観察すること)や、リンパ節のFNA、血液検査、レントゲン検査、エコー検査を組み合わせて、行います。
治療は外科治療が第一選択ですが、化学療法(抗がん剤やステロイド剤による治療)も併用することもあります。
本院では、腫瘍科も設けており、腫瘍認定医である原寛獣医師の診察も予約制ではございますが、いつでも承けたまっておりますので、お気軽にお問い合わせください。

急性腎障害

急に腎臓が機能しなくなる病気です。おしっこがほとんどでず、尿毒症になり、吐いたり、ぐったりします。
場合によっては命に関わる事も多く、原因を特定し、早急な処置が望まれます。
原因は様々です。腎臓自体が問題の事もあれば、腎臓以外の影響により、腎機能障害を引き起こす事もあります。
腎臓そのものの問題としては、細菌によって引き起こされる腎盂腎炎や、細菌やウィルスあるいは自己免疫の暴走により、糸球体に炎症が引き起こされる糸球体腎炎などがあります。腎臓以外の原因は様々で、出血や脱水、尿道・尿管閉塞などがあげられます。
検査としては、原因を特定し、適切な治療が望まれるため、血液検査、レントゲン検査、尿検査、エコー検査を実施します。また、細菌性が疑われる場合は培養検査を実施する事もあります。
治療としては、原因によって異なりますが点滴治療、利尿剤、抗生物質などが使われます。尿路閉塞が疑われる場合、閉塞の状態によっては麻酔下の処置もしくは手術が必要な事もあります。いずれにせよ、前述した通り、命に関わることもある病気です。早期発見、早期治療が望まれます。

慢性腎不全/慢性腎臓病(CKD)

何らかの腎障害が3ヶ月以上継続している状態のことをさし、高齢期の猫にとって、心臓病や腫瘍と並んで、同じくらい重要な病気です。
早期では症状はありませんが、腎臓の障害が進行すると、多飲多尿となり、体重減少、食欲不振、脱水、貧血などがみられるようになります。さらに進行すると、嘔吐や筋力の低下、元気がない、虚弱などの症状がみられ、尿毒症となります。最終的には、尿が全くでなくなったり、痙攣や昏睡などの神経症状が出る事もあります。
慢性腎臓病は、早期に診断し、治療することで、生存期間やQOL(生活の質)を改善できる事が明らかになっています。猫ちゃんと楽しい生活を長く送る、そのためにも、飼い主様の普段の観察や、日頃の健康診断などで見つけてあげる事が重要になってきます。
当院では、一般身体検査はもちろんの事、血液検査や尿検査(一般性状、比重、尿タンパク/クレアチニン比)、血圧の測定、超音波検査やレントゲン検査、場合によっては腎臓のFNB(針穿刺による細胞診)などを実施し、慢性腎臓病の病態やステージ、合併症の有無を正確に判断することで、その猫ちゃんにあった治療をご提案していきます。
また、ニャンニャンドック(健康診断)でも、腎臓病を早期に発見するような計画も可能です。ご相談ください。

糖尿病

インスリンというホルモンが足りなかったり、作用しなかったりすると、血液中のグルコースが、組織にうまく取り込まれず、高血糖の状態となり、尿中にグルコースが排泄されて“糖尿”となります。
中〜高齢期の猫に見られる事が多く、症状としては多飲多尿、体重減少、多食です。また、病気が進行すると、食欲不振、元気消失、嘔吐、下痢、昏睡となります。
猫の糖尿病の原因は、①人の2型糖尿病と類似したもの ②慢性膵炎 ③医原性膵炎の3つにほぼ大別されます。この中で、慢性膵炎が最も多いと推測されます。また、他の疾患を併発している事や、他の病気も原因となることもあります。
上述した症状に加え、血液検査および尿検査を行うことで、糖尿病は診断つきますが、原因である膵炎の有無や、その他の併発疾患を確認する上でも、レントゲンやエコー検査を実施する事があります。
治療としては、基礎疾患・併発疾患の管理に加えて、食事療法、インスリン療法を行っており、在宅での管理ができるように治療を進めていきます。

甲状腺機能亢進症

甲状腺ホルモンが過剰に出る病気で、各組織の代謝を亢進させます。人ではバセドウ病として知られており、若い人にみられる自己免疫疾患ですが、猫では異なり、シニアの猫に多く、7歳以上の猫のうち、10頭に1頭がこの病気にかかっています。多くは、良性の甲状腺の腺腫性過形成によるものですが、まれに悪性腫瘍であることもあります。
よく見られる症状としては、体重減少、多食、嘔吐、下痢、多飲多尿、食欲不振などです。また、性格の変化が見られる事もあり、活発になる事もあれば無気力になる事もあります。また、甲状腺ホルモンが過剰分泌した結果、心筋障害、腎不全、高血圧などを引き起こす事もあるため注意が必要です。
検査としては、甲状腺ホルモンの測定(血液検査)により診断が可能です。また、併発疾患のの確認のために、一般血液検査やレントゲン、血圧測定、エコー検査などを実施する事もあります。
治療としては、内服や食事療法があります。またその他に、外科的に腫大化した甲状腺を切除する事も行っており、猫の性格や、状態に合わせて治療方法をご提示しています。
前述した通り、7歳以上の猫で見られる事が多い事から、定期健康診断であるニャンニャンドックでも、検査する事が可能です。お問い合わせください。

炎症性腸疾患(IBD)

病名の通り、腸に炎症があるために起こされる消化器症状のことです。炎症の原因は、ほとんど分かっていませんが、遺伝的な問題による自己免疫性疾患として考えられています。すなわち、食事や腸内細菌、腸管免疫系などが複合的に作用した結果、慢性の胃腸炎が起こると考えられています。下痢や血便、嘔吐、食欲不振、体重減少などの症状がみられる事が多く、腹水の貯留や浮腫を起こす事もあります。
診断としては、他の慢性消化器症状を起こす病気を除外する必要があります。そのためにも、多くの検査を行う必要があります。
血液検査やレントゲン検査、超音波検査、糞便検査などを行い、他の病気の有無を確認します。またさらに内視鏡検査や開腹手術により腸の組織検査をすることもあります。
治療としては、内科治療となり、抗炎症薬や免疫抑制剤、食事療法、抗菌薬などを組み合わせます。特にステロイドが治療の中心になる事が多いです。症状が軽減すれば、内服薬を減量しますが、通常IBDの治療は、長期間あるいは生涯継続する必要があります。また、重篤化すると死に至る事もあるため飼い主様の協力が欠かせません。

結膜炎

結膜とはまぶたの裏側の部分(眼瞼結膜)と白目の部分(眼球結膜)を指します。そこが赤くなったり、腫れたりすることを結膜炎と言います。
結膜炎は猫の眼の病気として、最もよく見られる症状です。原因は、別のページでも解説した猫の上部気道感染症が多く、細菌やウィルス、真菌、クラミジアなどによって引き起こされます。目やにが出たり、涙が多くなったりもします。生まれたばかりの子猫で、結膜炎が悪化した場合、瞼球癒着といって、結膜が眼球とくっついてしまい、眼が開かなくなる事もあります。また、アレルギーによっても、結膜炎を起こす事があります。
診断としては、臨床症状からの推測、ウィルスや細菌の検出、または眼球に傷がないか(フルオレセイン染色)も併せて調べる事もあります。
治療は、原因によって異なりますが、抗生剤や抗ウィルス薬の点眼薬や内服薬、インターフェロンなどの注射を用いています。

猫喘息

猫が急に口を開けて呼吸したり、咳をしたり、何度も吐きそうで、吐かないなどの症状で来院される事が多いです。
猫喘息はアレルギー性疾患で、人の気管支喘息と同じく、気道の過敏性を示し、気道閉塞を引き起こします。細菌やウィルス、寄生虫の他に、タバコの煙やハウスダスト、花粉や芳香剤、脱臭剤などが増悪因子と言われています。
診断は、臨床兆候(咳、喘鳴、および呼気性呼吸困難)、レントゲン、血液検査(アレルギーに関連した白血球の増加の確認)、聴診、治療的診断(抗生剤療法に反応せず、ステロイド治療に反応し、状態が著しく改善する)から判断します。
治療としては、気管支拡張剤やステロイド剤の内服、もしくは吸入療法などをご提示しております。

猫カゼ(猫の上部気道感染症)

子猫を拾ったと来院され、診てみると眼や鼻がぐしゅぐしゅだったりする事がよくあります。これはいわゆる‘猫カゼ’で、時には発熱を伴い、食欲不振が認められる事もあります。さらにひどくなると、肺炎を起こす事もあります。とくに子猫では重要な病気になり、また、ワクチン接種を受けてない猫や、何らかの病気にかかって免疫力が落ちている猫にも発症しやすいです。
この病気の原因は一つではなく、ウィルス、細菌、クラミジアなど複数の病原体が関与しています。
診断は、症状からの推測するのはもちろん、聴診やウィルスや細菌の検出、レントゲン検査などを組み合わせることで状態を把握する事もします。
治療は、原因によって異なりますが、ウィルスの種類によっては、抗ウィルス薬の投与やインターフェロンの投与を検討します。クラミジアや他の細菌の二次感染がある場合は抗生剤を使用します。また、体力が落ちていたり、十分に食事がとれない場合、輸液や栄養補給などをします。

尿石症

猫のおしっこが赤い、猫が何度もトイレにいって、しゃがんでいるが、あまりおしっこが出ないなどの症状に遭遇する事があります。これは、猫の下部尿路疾患(膀胱以下の尿路に発生する病気の総称)とよばれ、そのなかで、特発性膀胱炎に続き2番目に多いのが尿石症です。
尿石のミネラル組成は様々ですが、ほとんどは、リン酸アンモニウムマグネシウム(ストルバイト尿石)もしくはシュウ酸カルシウムです。食事内容や、肥満や運動不足などの生活習慣が関係しています。他にも、肝臓が悪かったり、膀胱炎でも尿結石ができることがあります。
診断は、レントゲンやエコー、尿検査を行うことによって、尿石の有無を確認します。また、肝疾患などの尿石を作りやすい病気がないかどうか血液検査する事もあります。
治療としては、小さいストルバイト尿石であれば食事療法により溶解することもできます。また、大きいものであったり、シュウ酸カルシウム結石は、食事療法による溶解が難しいので外科摘出をおすすめしています。
この病気は、治療後は再発しないように予防が重要です。きちんとした食事管理、積極的な水分摂取や、トイレを我慢させない環境作り、肥満の場合はダイエットなどが必要になります。

下痢

下痢と、一口に言っても原因や症状は様々です。
原因としては、食事性、感染性(細菌・ウィルス・寄生虫)、毒物・薬物、肝臓や膵臓、腎臓、脾臓の病気、異物、腫瘍、アレルギーや炎症性腸疾患などの免疫疾患、ホルモン疾患、ストレスなどがあげられます。
症状として確認していただきたいことは、排便回数が増えているのか、一回の便量は増えているのか、便の色、血液や粘液の有無、しぶりはあるのか、体重減少があるのか、嘔吐の有無です。また、食事や心当たりがある場合も、それを確認してください。これらをもとに、原因を推測していきます。どちらにしても、3週間以上の下痢は、きちんとした原因追及が望まれ、原因にあった治療をする必要があります。
検査は、症状や状態によって異なります。触診はもちろんですが、お尻に指を入れる直腸検査も行うこともあります。また、糞便検査や血液検査、レントゲン検査、エコー検査、ホルモン検査、アレルゲン検査などを実施します。
また、場合によっては内視鏡検査を実施する事もあります。消化管に腫瘍がある場合は、FNB(針穿刺による細胞診)を行います。
治療も同様に、症状や原因によって異なり、内服や点滴などを検討します。

嘔吐

「猫はよく吐く動物」と言われますが、頻繁に吐いたり、体重が落ちたり、食欲がない場合は注意が必要です。
吐くといっても、その様子は様々です。注意していただきたいポイントはいくつかあります。
□回数とその時間
□吐いた内容と量
□吐いた後に食欲や元気はあるのか
□飲水量や尿量の変化はあるのか
□食事の内容
□思い当たるきっかけ(異物や薬物の摂取など)
これらのことを診察の際に教えていただく事で、原因を推測していきます。吐く原因も様々で、下痢と同様に食事性、感染性(細菌・ウィルス・寄生虫)、毒物・薬物、肝臓や膵臓、腎臓、脾臓の病気、異物、腫瘍、アレルギーや炎症性腸疾患などの免疫疾患、ホルモン疾患、ストレスなどがあげられます。
検査は、症状や状態によって異なります。触診はもちろんですが、血液検査、レントゲン検査、エコー検査、ホルモン検査、アレルゲン検査などを実施します。
また、場合によっては、バリウム、内視鏡検査を実施する事もあります。消化管に腫瘍がある場合は、FNB(針穿刺による細胞診)を行います。
治療は原因によって異なります