ISFM in リガ
ラトビアのリガで開催された、ISFMの年次大会に参加させていただきました。世界遺産でもあるリガ歴史地区まで歩いて5分のホテルでの開催でした。今回のテーマは『行動学と神経病』です。てんかんや麻痺などの話題を中心に膀胱炎や栄養学の話まで幅広く講演がありました。とくに神経病に関しては新しい情報がたくさんあり明日からの診療に活かせればと思っております。
参加していた間に夏至が重なり22時をすぎても明るく不思議な感じでした。ラトビアの人々にとって夏至はお祭りであり、レストランやバーでは夜通しライブやパーティーが繰り広げられていました。屋根の上に猫の像が乗っている猫の家(Kaku Maja)を見つけて思わず写真撮影。
この学会で毎年会う、ドイツやエストニア、アイルランド、イギリス、台湾の獣医師ともゆっくり話ができて有意義な学会となりました。
クアラルンプールは20年前にも一度訪れた事があるのですが、その頃とは見違えるくらい町は発展していました。マレーシアの人たちはとても親切で、道に迷っていると丁寧に案内もしてくれました。
丸2日間、猫の「腎臓病」と「肝臓病」に関する講義が盛りだくさんでした。学会は地元もマレーシアはもちろん、韓国、中国、シンガポール、インドネシアなどアジア各国から、またアメリカやイギリス、オーストラリアからも猫の医療を学びにたくさんの獣医師が参加していました。18カ国、220名の参加です。
腎臓病の長期的なケアの方法や、猫の肝臓病の新しい概念など最新の情報もいくつか発表されておりとても充実した2日間となりました。
World Feline Veterinary Congress 2013 in バルセロナ
スペインバルセロナで開催されたISFMによる学会です。
内容のテーマは『子猫と高齢猫』についてでした。
初日は「子猫」についての講義が行われ、母親のいない猫の育て方や、子猫譲渡の際の里親さんへの教育の仕方、アニマルシェルターでの感染症の管理の仕方(この辺りはさすが動物福祉の進んだ欧州ですね)、そして遺伝子の関与した病気についてのお話がありました。遺伝病の講義ではスコティッシュ・フォールドも出て来たのですが、日本ですごく人気があるのよ!と強調されていたのが印象的でした。
2日目・3日目は「高齢猫」についての講義が行われました。高齢になってくると問題になる関節炎や慢性腎臓病、甲状腺機能亢進症などについてのお話でした。特に印象的だったのが、高齢になるとむしろ必要なカロリーは増えるということ。それなのに脂肪やタンパク質の吸収能力は落ちてしまうのでフードの内容はよく考えて与えなければいけないということでした。
さて、バルセロナは言うまでもなくサグラダファミリアのあるところです。しかしガウディの建築だけでなく、他の建築家の素敵な建物がたくさんあったり(モダニズムの建築がいっぱい!)、食べ物が美味しかったり(今どきのバルは紙ナプキンが落ちてなくても美味しいらしいです)、陽気な人たちばかり、とエネルギーに満ちあふれた土地でした。
ISFM in ブダペスト
今回はブダペストで開催されました。ブダの王宮の向かいのホテルでの開催です。今回のテーマは『臨床病理と画像診断』です。血液検査の読み方や、レントゲンや超音波検査の読み方など基本に立ち返ったテーマです。犬と猫の違いを中心に、また時にはまだ論文に発表されていない新しい話も織り交ぜ幅広く講義が組まれており大変有意義なものとなりました。腎不全の治療として今まであまり欧米で評価されていなかった活性炭に関する発表もあり、改めて日本の猫医療を見直す良い機会となりました。今後はヨーロッパでも活性炭の治療が広まり、少しでも腎臓病で苦しむ猫ちゃんが減るといいですね。
今回は過去最高の33カ国から参加しており、共にの猫の医療の向上を目指す獣医師達との交流は忘れられないものとなりました。